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片頭痛治療

当院の頭痛診療は、問診で症状の確認をした上で、画像検査でくも膜下出血、脳腫瘍等の頭蓋内疾患や頸椎疾患の有無を精査します。その後、頭痛の発生回数、強弱、日常生活への影響等を詳しく伺いながら治療を進めていきます。(頭痛ダイアリーの記載をお勧めします)

頭痛ダイアリー

頭痛の回数が多く、鎮痛剤内服を繰り返したり、効果がない場合は予防薬内服を行います。それでも改善がない場合は2021年に認可された注射薬のCGRP関連予防薬(エムガルティ、アジョビ、アイモビーク)を使用します。

CGRP(calcitonin gene-related peptide:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)とは片頭痛の痛みの直接の原因とされているたんぱく質です。片頭痛が起こるときに三叉神経という頭部の感覚をつかさどる神経から、このCGRPが脳の表面を覆っている膜(硬膜)に放出され、炎症と血管拡張をおこし痛み、吐き気をなどを感じるようになるといわれています。

CGRPの放出を止める薬が各種トリプタン製剤ですが、内服するタイミングが難しく、飲むのが遅すぎると効果が弱い場合があります。

CGRP自体を無力化するのがエムガルティ、アジョビで、CGRPの受けてをブロックするのがアイモビークです。臨床試験の結果はほぼ同等の効果で、片頭痛発作の症状を最小限にとどめる薬です。投与にあたっては最適使用推進ガイドライン(厚生労働省)で使用基準が定められており、以下の全てを満たすことが必須です。(妊娠中、授乳中の方は慎重投与、18歳未満は使用不可)

①前兆のある、または前兆のない片頭痛の発作が月に複数回以上発現していると医師が確認している、または慢性片頭痛であると医師に診断されていること。

②(頭痛ではなく)片頭痛が過去3ヶ月以上にわたり、平均して1ヶ月に4日以上起きている。

③従来の片頭痛予防薬の効果が不十分、または副作用により内服の継続が困難である。

④睡眠、食生活の指導、適正体重の維持、ストレスマネジメント等の非薬物療法および片頭痛発作の急性期治療等をすでに実施しているが、それらの治療を適切に行っても日常生活に支障をきたしている。

1ヶ月毎に注射をしますが、投与開始直後は効果判定のため、最低3ヶ月続けて投与することが推奨されています。これは薬の血中濃度が十分維持できているかを評価するためです。効果があった場合は制限なく継続可能です。また、ご自身の判断で中止をしてもかまいませんし、再開すればすぐに効果を取り戻せることが期待できます。

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